午後2時半、フレックスのコアタイムが終わると急いで帰宅。 キャンプ用具はすでに先の休日に車に積んである。あとはルーフテントを車に取り付けて身の回りのものを積み込むだけである。出発は四時半。さあ北海道旅行の始まりである。 |
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京滋バイパス、名神高速、北陸自動車道を経由し、北海道へ向かうフェリーの出発地である敦賀には午後七時頃に到着した。食事をしてからフェリー乗り場へ向かう。この時午後九時。まだ出航時間まで2時間半もある。 | ||
今回乗る新日本海フェリーの「すずらん」はすでに入港している。車を乗船待ちの列に並べ、ターミナルで乗船手続きを済ませる。乗船開始は出発1時間前の十時半らしい。それでもまだ1時間半もある。 子供たちは、いつもなら寝ている時間なのだが興奮しているのか、眠そうな素振りも見せずに走り回っている。 |
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十時半が近づいてきた。乗船はドライバーと同乗者は別である。私だけ車に残り、残り3人は徒歩用のゲートに向かった。車の乗船が始まる。今日は水曜日という週の真ん中のためか結構すいているようである。ほとんど待つこともなく乗船することができた。 | ||
車から大荷物を抱えてふうふういいながら部屋まで行く。今回の旅行では、フェリーの部屋は往復とも 特等の和室二人部屋をとっておいた。21時間の長旅だし、子供が騒ぐ事を考えての配慮である。私自身も特等は初めてである。特等はスイートルームに次いで良い部屋であるが、一等、二等となにが違うかというと、まず特等エリアの通路の絨毯が違う。ふわっと沈み込むような感じである。それに船の最上階にあるため、特等エリアにはほとんど人がやってこず、とても静かである。 | ||
部屋に入ってみるとたたきがあって、その横がバス・トイレである。ふすま戸を開けると狭い六畳ぐらいの和室で、ちゃんと床の間もついている。テレビ(航行中はBSしか写らない)があるのは当たり前でビデオなんかもちゃんと装備してある。 | ||
これが特等和室だ |
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部屋には徒歩で乗船していた3人が待っていた。時間が遅いのですぐに布団を敷く。二人部屋なので布団は当然二組しかないが、敷き布団とマットレスを分けて敷くことにより親子四人がゆったりと寝るスペースを作ることができた。 横になると元気だった子供たちもすぐに寝てしまった。やっぱり疲れていたのだろう。やがてドラが鳴り蛍の光が流れる。出航である。船は静かに岸壁を離れていく。これでしばらく本州とはおさらばだね。 |
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翌日は朝から海の上である。北海道の小樽に到着するのは今晩8時半の予定である。昨日は寝るのが遅かったせいか、目が覚めたのは朝8時過ぎであった。 9時前には子供達も起きてきた。コンビニのおにぎりで朝食をとった後、船内見学に出発。 |
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船内は3階に分かれていて、一番上の階が私たちの部屋がある特等とスイートのエリア、それとシアタールームがある。一つ下の階には後方にデッキ(このフェリーは約30ノットと速力が速いのでこのデッキ以外は表に出られない)、食堂、ラウンジ、ゲームセンター、チルドレンルーム がある。 子供達はこのチルドレンルームがお気に入りで、航海中何度も連れて行かれた。チルドレンルームといっても設備は傾斜の緩い滑り台とパズルのように色々な形のマットが敷かれているエリアだけしかない。それでも子供達は楽しいらしく、よその子供達と仲良くとはいえないまでも遊んでいる。さらに一番下の階にはフロントと2等および2等寝台のエリア、大浴場などがある。 | ||
チルドレンルーム |
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午前9時40分、昨晩私たちと同時刻に小樽を出発し敦賀に向かう「すいせん」とすれ違う時刻だ。皆で後部デッキに向かう。「すいせん」は私たちが乗っている「すずらん」と同型船なので相手を見れば自分の乗っている船がどんな形かよく分かる。さすがお互い日本最高速のフェリーだけのことはある。みるみる近づいてきたかと思うとお互い汽笛をならしあっという間にすれ違っていった。 | ||
デッキにて |
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昼過ぎ頃、船長からの船内放送が入る。「…現在の北海道の天候は雨…」。予想はしていたがやはり・・。出発一週間前の予報では北海道は22日(水)は雨が降るが、23日(木)には回復してその後はずっと晴れや曇りの比較的良い天気の予報であった。こりゃラッキーと大変喜んだのだが、出発2,3日前の予報から、天気の回復が遅れだして、晴れるのは金曜日後半あたりからという予報に変わっていった。だから船長の放送を聞いても「やっぱり・・」程度にしか思わなかった。「最初の日ぐらいちょっと雨でもいいや、その後ずっと晴れてくれれば・・」。しかし、この考えも後で思うと超甘い予想であった。 | ||
さて、3時頃になりやっと島影が見えてきた。地図で確認すると奥尻島だ。まもなく積丹半島も見えてくるが北海道が見えてからでも、到着までは結構長い時間がかかる。「まだかな、まだかな」という気分である。8時頃やっと小樽の街明かりが見えてきた。 | ||
私たちが乗った船は岸壁に近づくと船首を180度回頭し縦列駐車のようにバックで接岸し始める。こんな大きな船をこうも自由に操れるとは実に器用なものである。ふと岸壁にある水たまりを見ると、結構激しく雨が降っていることが分かる・・。まあそれはさておき到着である。 | ||
下船の時は同乗者も一緒に車に乗っておりられる。皆で車のところに戻り、中に入って待機する。すいているせいもあって比較的早く下船の順番が来た。エンジンをかけゆっくりとタラップを下っていく。上陸した! | ||
さて、小樽の街へ向かおう。北海道での最初の目的はもちろん寿司である。 あらかじめガイドブックで調べておいた寿司屋通りに向かう。この通りの両側にはたくさんの寿司屋が軒を連ねている。水曜日の9時過ぎという時間のせいか、どの店もがらがらのようである。その数ある店の中で、ガイドブックに載っていた「政寿司」という店を選ぶ。入ってみると客は我々だけである。 |
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とりあえずカウンターに座る。セットになった寿司とビールを注文する。子供達にも何かを注文してやろう。駿一はいくらと卵の握りという、いつもの定番メニューだ。奈菜の定番メニューはエビ(ゆでたもの)の握りだが、あいにくゆでエビはおいていないとのこと。あれこれ勧めてみるが好き嫌いの激しい奈菜は「うん」といわない。色々考えた末、ゆでエビと食感の似ているであろうかにを注文してみる。何とか気に入ったみたいだ。奈菜はぱくぱくと食べ出した。良かった。 | ||
しかし北海道のウニはうまい。当初夜も遅いしあまりたくさん食べるつもりもなかったのだが、気がつけば結構飲み食いしていた。おなかのふくれた子供達は吸い物についていたかにの鋏で遊び始めた。そろそろ潮時だろう。店を出ることにした。 | ||
駐車場から車を出して、小樽の街を抜け札樽道にはいる。10年前に来たときにはこんな高速道はなかった。便利になったものである。札幌の街明かりが見えてきた。しかし今は札幌には寄らない。素通りして札樽道から道央道に入る。そろそろ眠くなってきた。野幌(のっぽろ)というパーキングエリアに車をすべり込ませ、隅の邪魔にならないところに車を駐車する。今夜の寝場所はここである。雨はまだ少し降っているが、気にせずルーフテントを広げ、パパだけそこに上がる。母ちゃんと駿一は車内ベッド下段、奈菜は車内ベッド上段である。お休みなさい。 さて明日は晴れるだろうか。 |
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