wood  釧路湿原・摩周  wood

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朝起きてカールーフテントのファスナーを開けて空を見る。今日は心なしか天気がいいようだ。 といっても青空が見えているわけではない。霧がかかっていないし、雲も幾分高いだけだのことだ。すっかり曇り空に慣れてしまったようである。
病院の駐車場に長居をしていても仕方がないのでテントをたたみすぐ出発をする。目指すのは予告通り「釧路湿原」である。途中のコンビニで朝御飯のおにぎり等を買い込み、釧路湿原に車を向ける。
釧路湿原と一言でいってもとても広いところである。展望台もたくさんある。我々はその中でも有名な「細岡展望台」を目指す。この展望台は眼下に釧路川がうねうねと流れており、釧路湿原らしい景色が見えることで有名である。またこのあたりでは「熱気球のフライト」もやっているらしい。ただ熱気球は天候次第と言うことなので、今日やるかどうかは分からない。
国道391号を北上して行くにつれ、また雲が重くたれ込めてきた。遠くの方は霞がかかったようになり視界が効かない。「こんな天気じゃ湿原は見えない」。楽しみにしていた分焦った気持ちになってくる。
標識に従って国道から左折、広い2車線の道をしばらく走ると右手に達古武湖が見えてきた。やはり霧に煙って、幻想的な風景だ。道は釧路湿原に近づくにつれ急に狭くなり砂利道になった。道のそばを釧路川が流れているのがわかる。いよいよ釧路湿原である。
坂道を少し上がると広い駐車場に出た。時間はまだ6時半頃である。他には誰も来ていない。駐車場の看板を見るともう少し先が展望台のようである。そこで、そのまま車で進むことにした。
右手に展望台の入り口があった。路肩に車を駐車し一人で展望台に向かった。
展望台から見渡してみると・・。やはり釧路湿原は霧の海である。かろうじて眼下の釧路川がうっすら見えるぐらいである。がっかりして車に戻り、さっきの駐車場まで戻って車をとめる。「まあ焦ってもしゃあない。ゆっくりしよう。美瑛でのこともあるし霧は晴れるかもしれない」
霧が晴れるのを待つ間、熱気球フライトがどこで行われるかを探ることにした。駐車場の向かいには広い草原のようなところがあって、ここがその場所とも思われる。 しかし今のところ人が現れる気配はないし、手持ちのガイドブックには、場所は釧路湿原駅前と書いてあった。釧路湿原駅はこの駐車場からは少し離れている。どうやら一度釧路湿原駅に行ってみる必要がありそうだ。
photo1 起きだしてきた子供達と釧路湿原駅まで散歩することにする。駅まではなだらかな下りの道である。程なく釧路湿原駅に着いたが、周りを見回しても気球の上げられそうな広い場所は見あたらない。どうやら気球はここではないらしい。風情のある丸太づくりの駅舎を背景に記念撮影した後車に戻ることにする。

釧路湿原駅

駐車場まで戻ってきて、目の前の草地を見てみる。すると何人かの男女が、隅に置いてあった貨物列車の廃車を転用した倉庫から大きな荷物を引きずり出している。袋に入っているので何かは全然分からなかったが、ピンときた。やっぱり気球はここでやるんだ。そうとなればぐずぐずしていられない。なにしろ気球を膨らますところなんか見たことがない。これは是非とも見ておかねばなるまい。
photo2 皆で草地へ走る。すでに気球は地面に広げられている。ずいぶん大きい。20mくらいありそうだが、正確には全く見当がつかない。大きな送風機が回り始めた。気球がもこもこと盛り上がっている。ただ空気を送るだけであんな大きな気球が膨らむなんて思ってもいなかった。どんどん大きく膨らんで、まだ寝た状態ではあるがほとんど気球の形になってきた。
ここでバーナーの登場である。これもまた巨大なバーナーである。「バシュッ、バシュッ」という音とともに炎が吹き出す。すごいパワーである。熱気が5m程離れて見ていた我々の方まで襲ってくる。見学者はみんなたまらずそばから離れていっている。

気球

気球はゆっくり起きあがり始めた。そしてついに直立した・・と思いきや、勢い余って反対側に倒れ込みそうになる。「おっとっと」といった感じである。係りの人たちが、気球が浮き上がってしまわないようにゴンドラに乗って押さえている。気球をコントロールするのは大変である。
「搭乗チケット」の販売が始まった。ここで私はゆっくり現場を離れる。名目は虫よけスプレーを取りに行くためであるが実は作戦があった。気球には10人程乗れるらしい。今順番待ちをしているのは10人程だから、2回目に乗ればすいているはずだ。という事で1回目に遅れるようにわざとゆっくり戻る。
戻った時にはすでに第一回目の搭乗が始まっていた。我々は2回目に回された。作戦通りである。気球はゆっくり上がっていく。「ふんわり」という表現がぴったりである。
のんびり空の気球を眺めていると、駅の方から大勢の人たちがやって来るではないか。なんということだ。ちょうど釧路方面からの列車が着いたところらしい。見事に作戦は失敗である。家族だけでの空中散歩はあきらめよう。
さて我々の番が来た。係員に従って気球のそばに行く。降りる人と入れ替わりであるが、いっぺんに降りてしまうと気球が浮き上がってしまうので、半分降りれば半分乗り込むといった手順が必要になる。ゴンドラと言っても大きなかごであり、扉なんかついていない。乗り込むのも一苦労である。
photo3 皆が乗り込むと、例のバーナーが火を噴く。さっきよりバーナーからの距離が近いので、熱気もすごい、思わず首をすくめてしまう。子供達もびっくりしたようで、「恐いー」と言っている。しかしそんなことはお構いなしに、気球はゆっくり上がり始めた。
本当にゆっくり上がるから、加速度なんて全然感じられない。目をつぶっていれば上がっていることなんか分からないんじゃないだろうか。目の前に釧路湿原の景色が広がってきた。霧はすっかり晴れて、湿原の向こう側の山裾まで見えている。広い。とてつもなく広い。広大な緑の絨毯が見渡す限り広がっている。手前にはその緑の絨毯の間を釧路川がうねうねと流れている。ビデオや写真ではこの広さはきっと実感できないだろう(といってもきっちりビデオはとっていたが)
気球は高度50mあたりに2,3分止まっていただろうか。残念ながら下降開始である。登りより早くすーっと降りていってしまう。バーナーをふかして降下速度をゆるめながらゆっくりと着地。なかなか見事なコントロールである。次の人たちと入れ替わって空の散歩は終わった。
さて朝食でも食べよう。駐車場に戻り、車の隣にテーブルを広げ、朝コンビニで買った食材を出す。目の前の草原からさっきまで乗っていた気球が上がっていく。空の上での感動を思い出してうきうきしながら朝食を食べる。その時、さーっと日が差してきた。空を見上げると雲の間から青空が見える。青空なんて久しぶりのような気がする。またうれしくなってきた。「きっと今日から晴れていくんだろう」と相変わらずの甘い予想である
朝食を終え、早朝訪れて霧しか見えなかった細岡展望台へ行くことにする。細岡展望台へは散策路もあるようだが、とりあえずは最短距離の車道を歩くことにする。緩やかな登りの道を5分ほどで展望台に到着した。今はよく晴れている。 展望台の横の方、少し離れて同じぐらいの高さのところに気球が上がっているのが見える。どうやら展望台の高さと気球の最高地点は同じぐらいらしい。景色を比較すると展望台は木が邪魔して手前側が見えにくい。やはり気球からの景色の方に軍配が上がりそうだ。でもここは記念写真を撮れるメリットがある。
photo4 photo5

展望台から見た湿原

展望台にて

photo6 展望台からの帰りは遊歩道を通ることにする。ちよっとアップダウンがあるが距離がないので疲れはしない。途中一番高いところに展望台があって、こちらは木の手すりだけで視線を遮る木はないのでさっきの展望台より景色がよい。おまけに団体の観光客はさっきの展望台しか行かないので人も少ない。穴場とまではいえないけれどおすすめの場所だ。

もう一つの展望台にて

この展望台より少し下がったところに釧路湿原ビジターズラウンジがあったので冷たいものでも飲もうかと立ち寄ることにする。センター内のベンチに座って今日の夜のことを考える。今日は一日ぐらい宿に泊まろうか・・。宿の条件はもちろん温泉である。それも有名なところがいい。
ガイドブックを探していると「川湯温泉」が目にとまった。川湯温泉は摩周湖から下ったところにある硫黄山の麓の温泉街である。豊富なお湯が流れ出て川となっていたことからこの名前がついたらしい。観光協会に電話をし、そこで紹介してもらった「川湯観光ホテル」に電話してみることにする。予約はOKだ。
細岡展望台を離れ、次なる目的地へ向かう。次は湿原をサイクリングしようと企んでいる。そのため、ガイドブックに載っていた憩いの家かや沼へ向かう。そこにはレンタサイクルがあるらしい。
一旦国道391号に戻り、湿原を左手に見ながら国道を北上していく。塘路湖を通り過ぎ、しばらく行くとシラルトロ沼が見える。通り過ぎたところを左折すると、目的地が見えてきた。駐車場には他の車がほとんど駐車しておらず、人の姿も見えない。レンタル自転車の受付もどこか分からないのでフロントで聞いてみた。もう少し奥に行かなければならないらしい。教えてもらったとおりに行ってみたがやっぱり人の姿はなく係りの人もいない。倉庫らしき建物を覗いてみると中に自転車は置いてあるが、入り口はぴったりと閉まっている。
「おーい係りの人―」と呼んでも誰も出てこない。なんかあほらしくなってサイクリングをする気がなくなってしまった。そこで車に戻り次の目的地に向かうことにする。
次は湿原の中のドライブである。釧路湿原の大部分は、特別保護区や国定天然記念物指定地域に指定されており、一般人は湿原の中にはいることはできないが、1本だけ誰でも通れる道路が走っている。「クチョロ原野塘路線」という道である。(厳密にはこの道路は立入禁止区域のぎりぎり外を通っている)
わかりにくい入り口をカーナビを頼りに探し出し、入り込んでいく。いきなり砂利道である。でも道幅も広く、踏み固められているので走りにくいことはない。しかし振動は激しく、天井のテントが心配でスピードを上げることはできない。こんな道はほとんど車が通らないだろうと思っていたが、すれ違う車の量は多い。途中では大型トラックが勢いよく走ってきてびっくりすることもあった。
肝心の景色であるが、人工物が全くなく、自然の中を走っているのは十分に感じられる。ただ道の両側に低木が茂っていてあんまり景色は良くない。やっぱり湿原は高いところから見るのが良いようだ。
湿原の中を10分程走るとコッタロ湿原展望台の駐車場に出た。車を止めて様子をみる。長い階段が山の上にのびている。どうやら展望台はこの階段の上にあるらしい。ちょっとげっそりしたが、行ってみない手はない。でも奈菜と母ちゃんはめんどくさがって行きたがらない。仕方ないので駿一と二人で行くことにする。
階段を駿一のペースにあわせてゆっくり登る。駿一はしんどいと言わない。偉いぞ駿一。やっと階段が終わった。と思ったら、ここからは山道が続いていて、まだ登らなければならないようだ。一瞬行くのやめようかと悩む。ここからでもそこそこ景色は良いではないか。駿一の方を見てみると、自分から元気に登っていこうとしている。よし!行こう。
photo7

コッタロ湿原

再び登り始める。そしてついに展望台到着。すごいっ!階段の上の景色とは比べものにならない景色が広がっている。「コッタロ湿原」から釧路湿原まで、ぐるーっと緑の平野がつながって見える。細岡展望台と負けず劣らずの景観である。
湿原をぼーっと眺めていると、先に展望台に来ていたよその家族が「あっ鳥がいる」という。確かに、 白い鳥がコッタロ湿原の真ん中にいる。遠いので、注意深く見ないと見逃すぐらい小さい。何の鳥だろうか。その時はあんまり深く考えなかった。
展望台を降りるときは、 登るときに頑張った駿一へのご褒美としておんぶしてやることにする。降りるのはらくちんである。とっとっとっと軽快に降りていく。すると、階段を登り切った場所で母ちゃんと奈菜にばったり会った。どうやら退屈で上がってきたらしいが、この上に登ろうかどうか迷っていたらしい。私としてはやっぱりさっきの景色を見せておきたい。そこでもう一度四人で展望台に登ることにした。「ここまで降りたのに・・もっと早く登って来いよ」そうして再び展望台にやって来た。しかしこの景色は何回見ても退屈しない。
さっきの鳥はまだ同じ場所にいる。子供達にも教えてやる。清子はすぐに見つけたが、子供達は全然見つけることができない。奈菜が双眼鏡を持ってきていたが、手持ちではきっちり位置を決められない。展望台には、よく観光地にあるような有料の双眼鏡が設置してあるので、これを使えば位置を決めることができるだろう。きっと鳥もはっきり見えるに違いない。しかしお金を入れなければ使えないこの手の設備はめったに使わない。しかしあんまり奈菜と駿一が見たがるのでやむなしに100円玉を放り込んだ。
さすがに有料。大きく見える。鳥もほとんど枠一杯の大きさである。なっ、なんと、その鳥は頭が赤く、首と尻尾が黒い。「た、タンチョウだ」。野生のタンチョウを見ることができるなんて夢にも思わなかった。思わぬ出来事に興奮しながら母ちゃんに譲る。母ちゃんもタンチョウということが分かってすごく喜んでいる。子供達にも見せてみたが、タンチョウの価値が分かったかどうか。とりあえず鳥を見ることができて納得したようである。しばらく興奮の余韻に浸っていたが、落ち着いたところで展望台を後にした。
車を駐車場から出して、しばらく砂利道を走ると舗装した道道と合流した。湿原探索はここで終わりである。短かったけど有意義な時間であった。大満足である。
時間は昼過ぎである。腹が減ったので路肩のパーキングに車を止めて、湯を沸かしラーメンをすする。そしてまた車を走らせる。摩周湖への登り口の町、弟子屈へ近づいてきた。その時看板が目にはいる。「900牧場」と書いてある。確かこの牧場のことはガイドブックに書いてあった。720度の展望(どんなんや!)が楽しめるらしい。行き当たりばったりであるが、車を看板に従い左折させる。カーブが続く坂道を上っていくと展望台が見えてきた。車を止めて展望台に上がっていく。 photo8
720度は大げさだけれども確かに眺望が広がる。特に摩周岳方面に視界が広がっている。その摩周岳はてっぺんが雲にかかっている。摩周湖はあの山にあるはずだけれどもあの雲で見えるだろうか。ちょっと心配になる。売店で牛乳を買うついでに店のおばちゃんに聞いてみると、「雲がかかっているのは山のてっぺんだけだから今日は見えるよ」その返事に安心して摩周湖に行く決心がついた。 photo9
photo10 帰りは違う道を通ってみようと、さっき来たのとは反対の道を進む。しばらく走ると牛が柵近くに近寄っている場所があった。車を止めて牛見学に向かう。子供達は牛や馬だと必ず草を与えようとするが、ここでもその辺の草をちぎって牛の前に差し出す。ここらの牛はあまり人になじんでいないのか、警戒しているようである。寄ってきても、こちらがちょっと動くと「ずざざっ」と後ろに引いてしまう。その驚きぶりがなかなかおもしろい。
さて再び出発である。出口と思われる方に車を進める。しかし、なかなか出口には着かない。それどころか道は大きく曲がって、全然違う方向に進み始めている。引き返すのはしゃくだからそのまま進む。するとまた道は曲がって今度はもと来た方に戻り始めている。だいたい察しがついてきた。この道は牧場内の周遊道路だ。その考えが正しいことを証明するようにさっきの展望台が近づいてきた。それにしても広い牧場である。車で一周するのに10分以上かかっている。結局展望台からもと来た道を通って出口に向かった。
次はいよいよ摩周湖である。摩周湖までは走りやすい山道を登っていく。先に第一展望台が見えてきた。この展望台には広い駐車場があるが有料でおまけに観光バスが必ず止まるから人がいっぱいである。以前来たときがそうだった。だから今回第一展望台はパスし、その少し先にある第三展望台に向かった。
第三展望台は、路肩に駐車するようになっているが無料である。。
車をとめて展望台に向かう。摩周湖は・・見えた。太陽が差していないので鮮やかというわけにはいかないが、霧のことを思えば上出来である。しばし湖を眺める。第三展望台は二カ所に展望台があるので次のところに向かう。こちらも先ほどの展望台とたいして景色は違わない。展望台が広くて写真が撮りやすいといった程度だが、ここでもしばし湖を眺め、摩周湖の姿を目に焼き付ける。
photo11 photo12
摩周湖を後にし今晩の宿に向かう。下りの道は行きとは違って急なカーブが続く道である。下りきったところが「硫黄山」の前で、 川湯温泉は硫黄山の横を通り過ぎてすぐのところにある。
「川湯観光ホテル」はすぐに見つかった。道路を挟んで宿泊施設と宴会場が建っている、なかなか大きなホテルである。玄関前には従業員の方が出迎えで立っている。出迎えしてくれるホテルなんて本当に久しぶりである。駐車場に車を止めると従業員の一人が荷物を持ちにやってきてくれる。挨拶の後の、従業員の方の言葉に私は奈落の底に突き落とされた。「残念ですねぇ、明日は雨だそうですよ」
「えーっ」今の今まで明日は晴れるものと信じて疑っていなかった。今日から天気は回復していくのではなかったのか・・。全身の力が抜ける。
しかしいつまでも驚いていられない。とにかくチェックインを済ませて部屋へ向かう。急いでテレビをつける。天気予報をちょうどやっていた。北海道は全域的に雨の予報である。あの従業員が言っていたことは嘘ではなかったようだ残念だけど仕方ない。自然には逆らえない。
気分を入れ替えて温泉に行こう。今日はパパが二人の子供を風呂に入れることにした。温泉に行く前に、子供に浴衣を着せてやる。子供の料金は布団代だけ、それも一人分なのだが、浴衣は二人分用意してあった。子供に浴衣を着せるのは初めてである。なかなかかわいらしい。
ここの温泉は、温泉らしい硫黄のにおいが漂ってくる湯である。「浴場」はそんなにきれいなわけではないが、広くて十分満足できるレベルである。考え方によっては、こんなひなびた感じの方が、昨日の山花リフレより温泉らしいかもしれない。
風呂から上がると食事の用意がしてあった。今日は部屋食である。部屋食の宿に泊まるのも本当に久しぶりである。ほとんど同時に母ちゃんも温泉から上がってきた。ナイスタイミングである。生ビールを注文して、食事を始める。料理としては、まあ平均的なものだろうが、おなかの減っている私たちにはごちそうである。
しばらくすると母ちゃんが温泉街に出たいと言い出した。特に他にすることもないので「いいよ」と言って夜の町に出た。夜の町と言っても見るものはおみやげ屋しかない。このあたりは木彫りが盛んなようで、どこの家でも見るような木彫りの熊とかが並べてあるぐらいで、あんまりおもしろい物はない。
部屋に戻って明日のことを考える。「明日はどうしようか。雨が降って来るんだったら屋内施設がたくさんあるところがいいなぁ。とすれば網走か・・。よし明日は網走にしよう。」と目的地を決めた。目的地を決めれば後は寝るだけだ。雨がたくさん降りませんように・・。

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