wood12月25日 マウントクックハイキングwood

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夜中に時折雨の降る音がしていた。
やっぱりダメかと思いながら寝ていた。
それに加えてジェット機の騒音のような「ごおぉぉ」という音が時折響く。
あれは何の音か。雷でもなさそうだが・・。


夜が明け明るくなってから天気を確認する。
雨は降っていないし、所々に青空も見える。
だが高い山はやはり雲をかぶっている。
キャンプグラウンドからは確認できないが、これではマウントクックは見えないだろう。

青空も見えるけど・・。

いざ、出発!!
ハイキングには支障のない天気なので、朝食の用意を持ってハイキング開始。
目的はフッカーレイク。
雨に備えて合羽は羽織っていく。
まだ朝の8時台なので、ハイカーの姿はほとんど見ない。
昨日はここまでだった、第一の吊り橋を渡り、先へ進む。

第一の橋を渡る

朝ご飯を食べてます〜。
ミューラーレイク(Mueller Lake)を見下ろす岩場の上で朝食。
昨日の余りのポテトやベーコンをガスストーブで暖めて食べる。
大した食事ではないが氷河を見ながら食べるとおいしい。
またしばらく歩くと第2の吊り橋が見えてくる。
第一の吊り橋に比べて、両岸は崖になっているのでちと怖い。
橋の下を流れる川も、幅は狭いがその分急流で、落ちたらお陀仏になるのは確実と思われる。
その急流に比べ、吊り橋の頼りなさそうなこと。

第2の吊り橋が見えてきた

おそるおそる渡っていく
岸壁沿いを歩き第2の吊り橋のたもとにやってくる。
看板には同時に渡れるのは20人までと書いてある。
そんなにたくさん橋に乗って大丈夫かいな。
この時は周りに誰もいなかったので、家族だけでとっとと渡ってしまう。
吊り橋だけに歩くと揺れる。
下には激流。
渡り終えるとほっ。
さらに歩き続ける。
木道が整備されている場所もあり、アップダウンも少ないので歩きやすいが、地図を持っていなかったため、あとどれぐらい歩けばよいのか見当がつかない。
ちょっと不安になってくる。
子供たちのに顔にも、そろそろ疲れが見える。

あぁ、疲れた〜。まだぁ〜。

マウントクック・リリーかな?
トイレがあり休憩所にもなっているシェルターを通過する。
あとどのぐらいだろうか。
不安なところへ追い打ちをかけるように雨がぱらつき出す。
奈菜はもう帰りたいと言い出すが、ここまで来てフッカーレイクを見ずに帰る訳にはいかない。

幸い綺麗な花があちこちに咲いているので、観察しながら進むことで、少しは疲れを紛らわすことができる。
すれ違ったハイカーに聞いてみる。
「あとどれぐらいですか」
「そうねー、あと15分ぐらいだと思うわ」
よし頑張ろう。

5分程歩いてまた聞いてみる。
「あとどれぐらいですか」
「15分ぐらいじゃないかな」

おいおい、時間が変わってへんじゃないか〜。

どっちが正しいのか。
他人は当てにはでけへん。
子供を励ましながら進んでいく。

少し晴れ間の見えるときもあるが・・

あそこがゴールの氷河湖だ〜
あぁやっと氷河湖から川が流れ出しているところが見えてきた。
もうちょっとだ。
そして到着した。
マウントクックは見えないが、湖には氷河から流れ出した氷のかけらが浮かんでいる。

氷河のかけらをバックに、ヤッター!!

晴れていればこの方向にマウントクックが・・。
上流側には氷河が湖に落ち込んでいるのが見える。
天気は小雨が降って、風が吹き、寒くていまいちだが、最高の気分。
とりあえず寒いので熱いお茶で乾杯!!
帰りはどれだけ歩けばよいのか分かっているので気分が楽。
戻るに従って天気も回復傾向なのでさらに良い気分。

向こうから来るグループに声をかけられる。
「あとどれぐらいですか」
あれっ、湖からここまでどれぐらい歩いてきたっけ。
時間を見てなかったな〜。
仕方がない。こう言っておこう。
「あと15分くらいですよ」
他人は当てにはなりません。

濡れた山肌に太陽の光が当たってきらきら。
シェルターを過ぎたあたりで南部の町ダニーデンから来られたという男性とお話しする機会があった。
休日を利用してハイキングに来られているらしい。
このあたりのハイキングコースの説明をいろいろとしてくださる。
女房とカタコトの英語で話をしていて、
「いや〜英語が上手く話せなくて済みません」というと、
「私もこの国に来たときはそうだったよ」と。
聞いてみると、ノルウェーから移住してこられたとのこと。

「英語の国の人間ではない私たちが、こうして英語で意志の疎通ができる。
私はそれが素晴らしいことだと思う。」
とおっしゃった。激しく同意。

確かに英語なら色々な国の方たちと意志の疎通ができる可能性が一番高い。
意志の疎通ができるのは素晴らしいことだ。
ただのすれ違いが出会いに変わる。
私ももっと英語の勉強をしなければ。
第2の吊り橋を渡り、第一の吊り橋へと向かう。
その時、遠くの山の方で「ごおぉぉ」という音が。
反射的に山の方を見てみる。
遠かったがはっきり見えた。
雪崩だ。
昨日の夜の音も雪崩の音だったんだ。

遠いといえども、迫力満点。
雪の固まりが急斜面を滑り落ち、岩に当たって砕けてさらに落ちていく。
あれに巻き込まれたらひとたまりもないでしょう。
あぁこわ。
自然の脅威を見せつけられました。
そして音の謎も解けてすっきり。

あぁ、疲れた〜。
さて、やっとキャンピンググラウンドに戻ってきました。
子供たちはちょっと疲れ気味かな。
でも気持ちの良いハイキングでした。
晴れたときにまた歩きたい。

時間は昼をとっくに過ぎている。
昼食は簡単にうどんで済ますことにした。
湯を沸かし日本から持ってきただしの素にしょうゆを入れ、クライストチャーチで買ったうどんをぶっこむ。
たったこれだけの素うどんだが、とっても美味しかった。
米とうどん、これでニュージーランドでも生きていけると実感。
昼食を済まし、ビレッジのビジターセンターへ向かう。
天気情報を仕入れようとしたのだが、扉には鍵がかかっており、電気も消えている。
ああそうだ。今日はクリスマスだったんだ。

天気情報だけは入り口のところに貼ってあった。
どうやら明日も今日と同じような天気らしい。
天気がもっと良くなるのであれば、もう一日滞在しようかと思っていたが、天気が良くないのであれば仕方ない。
次の目的地に向かおう。

はっと、山の方を振り返ると、おお、マウントクックの頂が見えているではないか〜。
はっきりではない。はっきりではないが、雲の中に、確かに三角形のピークが見えている。

おおおぉ、これで満足じゃ〜。
神様ありがとう〜。

雲の中に三角のピークが見える。
分かりにくくて済みません

簡易カーナビ開始!!
次の目的地は奈菜のたっての希望で、ペンギンの見られる町、ダニーデンだ。
今日中にたどり着くのはしんどいので、とりあえず途中まで行くことにする。

出発前に今までほったらかしになっていたGPSのセッティングをする。
GarminのGPSユニットはしばらくすると現在地を表示し始めた。
続いてパソコンと接続し、地図ソフトであるNewzealandMappedを立ち上げる。
メニューから設定に入り「GPS connected」のところにチェックを入れると、
見事現在地がパソコン上の地図に表示されるようになった。
これでカーナビとまではいかないが、現在地を把握することができる。
プカキ湖沿いの80号線を戻り、トワイゼルに再びやってきた。
昨日買い物したショッピングモールもすべて店が閉まり閑散としている。
しかしガソリンスタンドだけは営業しており、無事に給油を済ますことができた。
聞いてみるとガソリンスタンドは年中無休で営業しているそうだ。
確かに、車が無ければ移動も難しくなるこの国で、ガソリンスタンドは生命線ですもんね。
ちなみにホリデーパークもクリスマスに休むことはほとんどないらしい。ほっ。

トワイゼルで先日強風のために実施されなかった「スターウォッチングツアー」の予約を再度入れてみる。
しかし返事は「Twizel方面は送迎バスがいっぱいです。テカポまで来ていただければ・・」
ということだった。
テカポまで戻ると明日の行程がしんどくなるので、「スターウォッチング」は見送り、
ダニーデン方面へ進むことにした。
といっても今日はクリスマス。
あまりあくせく運転するのも嫌なので、次の町オマラマで泊まることにする。
Omarama Top10 Holida Parkにチェックイン。
ここの敷地もひろ〜い。

Omarama Top10 Holida Park

旅先で精一杯のクリスマスディナー
続いてディナーの準備。
メインはクライストチャーチで買っておいた鳥一羽。
電子レンジで暖め調理。仕上げはフライパンで焦げ目をつけ、表面をかりっと仕上げる。
サラダを添えてクリスマスディナーが一丁上がり。
もちろんワインも忘れずに。
乾杯はニュージーランドの黒ビール。
食事を楽しんだあとでも、子供たちはまだまだ元気。
トランポリンではね回っていました。
親父は酔っぱらってヘロヘロでしたが。

こうしてクリスマスの夜は更けていきました。

トランポリンだ〜。

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