今日は朝から雲一つない上天気。 キャラバンパークの横にある牧場の羊も気分良さそうにめぇ〜〜っと鳴いている。 朝食を済ませキャラバンパークを9時に出発。 再び海岸沿いの道を走り、ダニーデン市街へ向かう。 帰りは陸地側の車線なので、昨日ほどの恐怖はない。 運転を誤っても、対向車を海へ突き落とすだけだ。 ・・・それはそれで問題か。 |
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ダニーデン市街へ入ったところで給油。 その後は1号線をひたすら走る。 ミルトン(Milton)という町を過ぎたあたりから、道は丘の間を縫うように走る道になる。 緑豊かな牧草地や畑のうねうねが窓の外に広がる。 とても綺麗な風景だ。写真を撮らなかったことが悔やまれる。 しかし、遮るもののない地形だからか、風が異様に強くなってくる。 テカポ直前に出会った風に匹敵するぐらいだ。 またもやハンドルをとられそうになるので、スピードを抑え目にして走る。 それでもハンドルを10度くらいきっていないとはじき飛ばされそう。 風は吹いたりやんだりするので、たちが悪い。 まっすぐの道でも常にハンドルの舵角をコントロールしなければならない。 気の休まる暇がない。 トイレルームあたりの立て付けが悪いのか、風が吹くたびにガタガタ音がしやがる。 心臓に悪い〜。 |
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風と格闘しながらバルクルーサ(Balclutha)の町を通過する。 この町付近が、今回のニュージーランド旅行での最南端になった。 これは後で地図を見て分かったことなので、この時は特に感慨もなく通過。 さらに風と格闘しながらゴア(Gore)の町へ。 昼食を食べようと思ったが、あまり良い店もなさそうだったので、ここも通過した。 ここからは94号線を走る。 風が弱まってきたのは良いが、代わりに雲が増えてきた。 天気が気にかかる。 |
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さすがにお腹が空いてきたので、 リバースデール(Riversdale)という町のレストエリア(道路沿いにある休憩所)でカップラーメンをすする。 ニュージーランドで売っているカップラーメンは具がほとんど入っていないし、味もいまいち。 カップ麺にもうまさを追求する、日本人の「食へのこだわり」を改めて凄いと感じる。 |
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ラムズデン(Lumsden)の町を過ぎたあたりから、天気はさらに悪くなっていく。 窓の外はレッドタソックという草の固まりが、ボコボコとできもののように広がるタソック帯で、 山の上までボコボコしている様子は、なんか悪い伝染病にかかった肌のようで気持ち悪い〜。 テ・アナウの町に近づくと、ついに雨が降り出した。 ダニーデン出発時はあんなに良い天気だったのに・・・。 この落差はなんなんだ〜。 ウェストコーストは「天気の悪いことが多い地域」というのを改めて思い知らされる。 テ・アナウの町に入り、ダニーデンのインフォメーションで予約しておいたテ・アナウ・レイクビュー・ホリデーパーク(TeAnauLakeviewHolidayPark)にチェックインする。 雨は降ったりやんだりの状態。 |
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鳥の本を買って以来、すっかり鳥の観察に夢中になっている駿一のために、タカヘを見に行くことにする。 タカヘは絶滅危惧種に指定されており、現在ではわずか200羽程度しか生息していないらしい。 手厚く保護がされており、観察できる場所は非常に少ない。 ここテ・アナウでは、このタカヘがシンボルになっており、この町にあるワイルドライフセンターという施設で見ることができる。 地球の歩き方の地図によると、ホリデーパークのすぐ向かいに、ワイルドライフセンターがあるらしい。 近くなので歩いて見に行くことにする。 すぐそばのはずなのに、なかなかたどり着けない。 雨は途中からざんざんと降り始めるし。 15分くらい歩いてやっとたどり着いた。 クライストチャーチのトラムの駅位置の件といい、・・教訓「地球の歩き方の地図は信じてはいけない」 |
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タカヘは幸運なことにすぐ目の前で見られた。 まるまると太った鳥で、見た目ユニークである。 歩き方もちょこちょこっ、って感じで素早くはなさそう。 こんなおいしそうで、かつ飛べないとなると、そら絶滅寸前にもなるわなぁ。 |
これがタカヘ。じゅる。 |
再び本降りなった雨の中、ホリデーパークへ戻った。 さすがに歩きは懲りたので、今度はキャンカーでテ・アナウ中心部へ向かう。 明日のミルフォードサウンドの観光船の予約をするためだ。 ビジターセンターで観光船の予約をしようとカウンターへ向かう。 「明日の観光船に乗りたいのですが」 「出航時間がいろいろありますが、どれになさいますか」 「ここからどれぐらいかかるのですか」 「車で2時間半くらいです」 とすれば昼前くらいの便が良いのかな。 ちょっと悩んでしまったので、時間稼ぎに 「明日の天気をご存じだったら教えてください」 「ええ、もちろん知ってますよ。雨です」 雨です・・雨です・・雨です・・ 自信を持って言い切られてしまった。 雨です・・。この一言で気分はすっかりへこんでしまった。 ビジターセンターの外もジャジャ降りの雨・・。 「また来ます・・」 結局予約もせずに出てきた。 |
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土蛍のツアーにはまだ時間があるので、スーパーで買い物をし、ホリデーパークに戻って夕食にする。 今日のメニューはビーフのシュニッツェル。 薄目のビーフに衣を付けてある。 これをたっぷりの油を使ってフライパンで焼くと、衣がカリッとしてなかなか美味。 |
テ・アナウの町にあったタカヘの像。
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いざ、出発。待ってろ土蛍くん |
土蛍ツアーの時間になったので、桟橋まで車で出かける。 土蛍のいる洞窟はテ・アナウ湖対岸の離れたところにあるらしいので、船に乗って洞窟まで行かなければならない。 船は一旦出発したのだが、またすぐに桟橋へ戻ってしまう。 何事だろうと思ったら、中国人の遅刻した団体を乗せに戻った様子。 ほっておけばよいと思うが、団体なので無視できなかったのだろう。 おかげで余裕のあった船内はぎゅうぎゅう状態に。 まあ仕方ないか。 |
船は再び出航、すぐに洞窟に着くのかと思えば、これがなかなか着かない。 かれこれ30分ぐらい走ったころに、ようやく桟橋が見えてきた。 ここにはキャバーンハウスという建物が建っていて、ツアー客は、まずここに集合し、土蛍についてのガイダンスを受ける。 カメラ撮影、ビデオ撮影は厳禁とのこと。残念。 まぁ洞窟の中では、どっちみちまともには撮れないだろうけど。 |
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その後10人程度の小グループに分かれ、洞窟内部に入っていく。 体を屈めて、頭上に注意して歩かないと頭を打ちそうになるぐらい通路は狭い。 洞窟内を少し歩くと地底湖になっており、小舟で対岸へ渡る。 乗り降りの部分には照明が点くようになっているが、その照明を消されるとあたりは真っ暗。 小舟はガイドが天井にはわせたロープを掴んで進めていくので、音も無い。 暗闇と静寂。ちょっと不気味。 対岸へ上がり、さらに奥へ進んでいく。 通路の脇には地底の川が、轟々と音をたてて流れている。 しばらく行くとまた地底湖があった。 先程のものより少しは大きい様子。だがはっきりと分からない。 足下以外は真っ暗だから。 |
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ここでまた小舟に乗る。 乗船が終わると照明は完全に消される。 またもや暗闇と静寂。 天井に小さな灯りが見える。 これが土蛍か。 透明感のある青い光。 青色LEDの光のよう。蛍と違って点滅はしない。しかし光の強弱はある。 この光は土蛍の幼虫が餌を誘い込むのに使うそうだ。 だから、光が強い土蛍ほどお腹が減っているらしい。 船はゆっくりと進んでいく。 天井いっぱいというわけにはいかないが、それでも幻想的な青い光を楽しむ。 しばらくすると船は岸に着く。 どこかと思えば先程乗った場所だ。 どこでUターンしたのか、暗闇の中ではまったく気づかなかった。 |
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ここからは来た時と逆に戻っていく。 キャバーンハウスに戻ったときは、もうあたりは夕闇に包まれていた。 ハウスの中で帰りの船を待つ。 やって来た船はまだ客を乗せていた。 もう10時になるというのに、まだ見学者がいるのか。 あの人たちが帰る時間は12時近くになるだろうな。 客もツアー会社も土蛍君も大変だ。 降りてきた客と入れ違いに船に乗る。 またここから30分の船旅だ。 外は真っ暗。景色もなにも見えない。町がないので町灯りもない。 操船席のレーダーを見ながら、この船の位置を想像しながら時間を潰す。 あっ、久々の灯りだ。テ・アナウに戻ってきた。 雨が激しく降っている。 これはやっぱり明日のミルフォードはダメだな。 |
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雨でびしょびしょになりながら車へ。 そしてホリデーパークへ。 ニュージーランドへ来て、初めて夜間の運転をする。 日が長いので今まで夜の運転はしたことがなかった。 帰りの道すがら考える。 明日大雨だったらミルフォードサウンドに行っても仕方ないなぁ。 他の場所へ行こうか。 でも他へ行ってしまうと、もうここまで再び戻っては来ないだろうなぁ。 誰もが訪れるミルフォードサウンドに行かないのも後悔しそうだしなぁ。 どうしようかなぁ。 決心が付かないまま就寝となった。 |